西洋建築の旅~月刊誌EURASIAの記事より~

古代ギリシャ・ローマから19世紀末のアール・ヌーヴォーまで西洋建築史を辿ります。

バルセロナの聖家族教会
バルセロナの聖家族教会
アグリジェントのコンコルディア神殿
アグリジェントのコンコルディア神殿
シャルトルの大聖堂(フランス)
シャルトルの大聖堂(フランス)

西洋建築を辿る旅

重層した技術と美意識が織りなす西洋建築。

木とは異なる石の文化が成した各時代の傑作の数々に触れることは旅の醍醐味の一つであり、鮮やかない彩りを添えてくれると言っても過言ではないだろう。

現代では西洋に限らず、日本国内でも身近に感じられるほど程世界中に広がっている西洋建築の変遷を、折々の時代の代表的な建築物に触れながら、辿って行く。

ラヴェンナ、イタリア
サンタ・ポリナーレ・イン・クラッセ教会/ラヴェンナ

古代ギリシャ・ローマ様式

 アテネのパルテノン神殿に代表される重厚感のあるギリシャ建築、そしてその流れを汲みながら独自に発展もさせた古代ローマ建築。
 ローマ旧市街に、巨大なドームが突如として姿を現す。ローマ神を奉る万神殿として建築され、二千年の間、そのままの姿で佇み続けるパンテオンだ。パンテオンはもともと、初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近アグリッパによって前27年に建造された。しかしその後、建物が火災で焼失。五賢帝の一人ハドリアヌスによって再建されたものが現在私達が見ることができる姿だ。
 ハドリアヌスはパンテオンの設計にも積極的に携わったと言われている。パンテオンの基本プラン構造は円筒形で直径は43.2m、そして天井の頂点までも43.2m。屋根には当時の技術としては驚異の半円形のドームがかけられ、中央に天窓が覗いている。いかにして建築されたのか興味深い建造物だ。また、特筆すべきは、今日までほとんど姿を変えずに存在できたことだ。
 コロッセオ等のローマ時代の建築物の殆どは二千年の間に幾度もの修復や改修によりかろうじてその姿を留めているに過ぎない。しかし、パンテオンは過去の地震で2本柱を修復したのみ。今日まで唯一の完全なる古代ローマ建築なのだ。主な理由は2つある。1つはパンテオンが石灰岩と火山岩を利用した古代のローマン・コンクリートを用いている点。強度は現代のコンクリートの倍以上あるという。もう1つは部分的な修復が困難である特異な設計に因るものであろう。ローマ帝国滅亡後も教会として転用され、採石場として使用されなかったことが幸いした。
 かつて聖なる空間の壁面にはローマ神話の神々が祀られていた。現在はルネサンスの巨匠ラファエロや近代イタリア統一の王ヴィットリオ・エマヌエーレ二世が眠る場所だ。
 ハドリアヌスの時代から千五百年後、ルネサンスの巨匠ミケランジェロはパンテオンを「天使の設計」と賞賛し、サンピエトロ寺院のドーム建築のヒントを得たという。現代建築家も驚嘆をかくさずにはいられない古代の聖なる空間は二千年もの長きに渡って多くの人を魅了し続けている。

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パンテオン(ローマ)
パンテオン(ローマ)
ユーラシア旅行社のギリシャツアーでアテネと世界遺産のシンボル、パルテノン神殿へ
パルテノン神殿/アテネ
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