西洋建築の旅 アールヌーヴォー様式編

古代ギリシャ・ローマから19世紀末のアール・ヌーヴォーまで西洋建築史を辿ります。

バルセロナ、カタルーニャ音楽堂
バルセロナ、カタルーニャ音楽堂
バルセロナのサンパウ病院
バルセロナのサンパウ病院
ナンシー、スタニスラス広場
ナンシー、スタニスラス広場

アールヌーヴォー様式

 19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパやアメリカで流行した世紀末芸術。一般的に世紀末芸術は「アールヌーヴォー」と呼ばれ、フランス語で「新しい芸術」を意味する。18世紀後半のイギリスで興った産業革命は、機械による大量生産を可能にし、人々の生活に便利さをもたらした。しかしその一方で、手造りの温かみが失われ、それを嘆いたウィリアム・モリスが、日常製品にも芸術性を持たせようとしてアーツ・アンド・クラフツ運動を始めた。その流れを汲み、その後ヨーロッパ各地で世紀末芸術が華開いていく。
 
 スペインのカタルーニャ地方、バルセロナを中心とした世紀末芸術運動がモデルニスモだ。その代表的建築家アントニオ・ガウディは、地元に根付いたロマネスク、ゴシック、イスラムの建築を研究し、独自のスタイルで建築物を築いていった。ガウディの代表作の一つ、実業家のドン・ホセ・バトリョ・カサノバスに依頼され改装した家、カサ・バトリョ(別名「骨の家」)。外観は現代の建物と違い曲線が多く、装飾も多いためとても住居に見えない。家の中に入ってみると階段ロビーにはまるで龍を連想させるような手すり、また、巨大な生物の内部を思わせる天井のモザイク風の模様など、細部にわたって一貫性のある装飾が施されている。また、部屋の中は、色とりどりのガラスが内部を照らし、海の中に突然引きこまれた感覚に陥る。暖炉や屋上の煙突に至るまでデザインが凝っており、芸術と生活が見事に融合している。
 
 中産階級ブルジョワが豊かになったこの時代、古くは王侯貴族といったごく一部の人々にしか楽しまれていなかった芸術が街中にもあふれ、一般庶民に身近なものになっていった。ブルジョワという新たな支援者を得た芸術家たちは、旧態依然とした芸術界に新風を巻き起こし多様な作品を今に遺した。
 
 街中に多くの世紀末建築があふれるバルセロナ。街を歩き、個性あふれる作品に触れると、世紀末の芸術家たちにまるで語り掛けられるかのように、彼らの想いがひしひしと伝わってくる。
バルセロナのカサ・バトリョ
バルセロナのカサ・バトリョ
リガのユーゲントシュティール(ラトビア)
リガのユーゲントシュティール(ラトビア)
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