| ◆春の西オーストラリア◆ |
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| ウェーブロックにて |
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青い海と真っ白な砂浜が広がる西オーストラリア州の州都パースは、緑いっぱいの公園も多くて、治安も良いと評判。この町の空気を吸えば、誰もが住みたいと憧れる気持ちがよくわかります。特に私が訪れた9月は、南半球は春真っ盛り。パースの町角や家々は様々な色の花々で飾られ、華やいでいました。郊外を車で走っていると、広い農地にキャノーラの黄色い花が一面に咲き誇り、緑の牧草地には、放牧された羊や牛が気ままに草を食んでいて、何とものどか。時には、こういった農場や草原に、野生のエミューやワラビーの姿を探すのも楽しみの一つです。朝夕には公園やゴルフ場にまで出没する野生のワラビーたちを見かける場合もあります。オーストラリアならではのほのぼのとした風景です。パース近郊には、ウェーブロックやピナクルズと言った大自然の芸術ももちろん見逃せません。
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| ◆世界遺産のシャーク・ベイ◆ |
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| 白い貝殻が埋め尽くすシェルビーチ |
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| 生きた化石ストロマトライト |
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パースを北上し、世界遺産のシャークベイへ。ここのハメリンプールと呼ばれる浅瀬は、「生きた化石」ストロマトライトがあることで有名です。ストロマトライトとは、私たちが日々呼吸するのに必要な酸素を、光合成によって作り出す、海中に生きる微生物シアノバクテリア(濫藻)の生命の跡。このバクテリアが海の砂や塵を積み重ねて成長し続け、奇妙な黒い岩石のような形を成しているのです。そしてそれは何と、遥か35億年も前から存在し、今この地球上に存在する多様化した生命の中でも、最もプリミティブな原始生命の一つだといわれています。今でもその表面でシアノバクテリアが酸素を放出し続け、私たちの命を支えていることに、とても不思議な感覚を覚えました。
また、浅瀬一面に黒々と広がるこのストロマトライトとは対照的なのが、同じくシャークベイにあるシェルビーチです。その名の通りの貝の浜辺で、真っ白な貝殻が浜辺を埋め尽くし、110kmにわたって碧い海と空とのコントラストをなしています。幼い頃に絵本で読んだような純白の波打ち際。貝殻を手に掬い取り、しばし童心に帰って水平線を眺め、ゆっくりと呼吸していると、丸い地球の空に吸い込まれてしまいそうな気持ちになります。。
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| ◆花々が大地を彩る春◆ |
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| リースリシュノルティア(ワイルドフラワーウェイ) |
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国土の2/3が砂漠である乾燥した大地では、植物たちも懸命に命を繋いでいます。春、雨季が明けて本格的な乾季が来る前に、草花はいっせいに花を咲かせます。木陰の藪の中も、砂漠の真ん中も、皆同じ時期に花を開かせるので、少し前までは荒れ野だった大地が、ほんのひと時の間だけ、楽園と化すのです。
オーストラリアで花を探す旅の魅力は、なんといっても固有種の多さにあります。時には、全く違う進化の過程を経た別種でありながら、私達が普段見慣れた草花によく似たものを見かけることもあります。ユーカリの花をはじめ、バンクシア、グレヴィレア、ボトルブラシ、スモークブッシュ、ベーコンエッグ、レシュノルティア、カンガルーポー、ピクシーモップ…個性的で、魔法の呪文のような名前も次々と飛び出し、その名前に負けず劣らず、花の形も初めて見るような不思議な姿ばかり。街中の花壇や道すがらの道路脇、広大な野や藪の中まで、多種多様な可憐な花で溢れる季節。子供の頃、宝探しをしたように、まだ見ぬ花を探せば、新たな出会いに心にも花が咲きます。
地球創世より数々の分離を繰り返して、孤立した大陸オーストラリア。この大陸は長い孤独と引き換えに、独自の生態系を今日まで育んできました。覆い茂るユーカリの森、愛らしいカンガルーなどの有袋類の動物達の他に、花でも動物でも実に多様な固有種が数多く生息し、まさにこの地は生命の宝庫だと実感しました。
カルバリーで迎えた朝、私たちはワラビーを写真に収めながら南西へと向かい、インド洋の波が地層の浮き出す独特の大地を削ってできた自然の橋ナチュラル・ブリッジを訪れました。青い海と空に突き出す橋に、朝の日の光が射す様はなんとも神々しく、あの神聖な空気を今でも、時々ふと思い出します。
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