伝統息づくヨーロッパ最奥の地、ルーマニア・ブルガリアの魅力

正教信仰と伝統的で素朴な生活が魅力のブルガリア、ルーマニア。地方まで足を延ばし、その魅力をご覧頂きます。

  • リラの僧院/ブルガリア

  • 5つの修道院の一つ、ヴォロネッツ修道院/ルーマニア

  • ネセバルのパントクラトール聖堂/ブルガリア

  • 色鮮やかなアルバナシ村のキリスト生誕教会の壁画/ブルガリア

  • サプンツァの陽気な墓/ルーマニア(マラムレシュ地方)

 

 

伝統的な風習や文化などが今も強く残っているブルガリアとルーマニア。

ブルガリア人はシャイで寡黙ですが正直で人情に厚い人々。
一方ルーマニア人はルーマニア(ローマ人の土地の意)という国名からもわかるように、中欧・東欧で唯一ラテン系の血を引いていて、陽気で社交的。

対照的な魅力を持つ素朴な人々が待っています。
 

ブルガリア・ルーマニアで正教の信仰心に触れる

ビザンチン帝国の強い影響下で発展し、深い歴史を持つブルガリア正教。その後も、モンゴル、オスマントルコなど様々な国に支配されながらも、独自の宗教を守り抜きました。

一方のルーマニア正教もビザンツ帝国、隣国ブルガリア帝国、 ハンガリーなど周辺国からの支配を受けましたが、信仰を守り抜き、それを民族同一性の拠り所としました。

数多くの苦難を乗り越え、現在も教会に残る素晴らしいフレスコ画やイコンは芸術的にも高い評価を得ています。
 

リラの僧院

  • ブルガリア リラの僧院

    リラの僧院/ブルガリア

  • ブルガリア リラの僧院の天井画

    リラの僧院の天井画

リラ山脈の奥地、10世紀に聖イオアンが修道院を建立し、その後多くの人々が彼を慕い集まり、共同生活の規模を拡大していきました。また、ヨーロッパからアトス山やエルサレムへの巡礼に向かう道中に位置していたことから、巡礼者のための宿泊施設も併設されるようになりました。

12世紀末からの第二次ブルガリア帝国時代には皇帝からの保護や寄進を受け、規模はさらに拡大。その後、14世紀末からのイスラム国家、オスマン・トルコ支配時代、多くのキリスト教施設が破壊される中、十分な税を納めることで破壊を免れました。

一番の見所は中央に位置する聖母教会です。アジア的な極彩色の壁画とビザンチンの教会建築様式が混じり、東西文明の融合地バルカンならではです。

ブルガリア正教において最重要の教会として、1983年に世界文化遺産登録されました。

マラムレシュ地方の木造教会

ルーマニア スルデシュティ村の木の教会 天高く伸びるマラムレシュ地方の木造教会/ルーマニア

ルーマニア北部、ウクライナとの国境近くのマラムレシュでは、独特な木造教会群が目を引きます。高い塔は、敵の来襲を知る為の見張りの塔の役割や、急傾斜による積雪対策の効果もあります。また、ゴシック建築の尖塔のように、天国に近づくための信仰心のなせる業でもあります。

ルーマニア北部独特の建築様式を代表するものとして、1999年、世界文化遺産に登録されました。

ブコヴィナ地方(モルダヴィア)5つの修道院

ヴォロネッツ修道院、5つの修道院、ルーマニア 5つの修道院の一つ、ヴォロネッツ修道院/ルーマニア

ルーマニア北東部、ブコヴィナ地方で15、6世紀に建造された修道院群で、美しいフレスコ外壁画が特徴です。

文字を読むことができず、教会内に入ることも許されていなかった民衆のため、聖書の内容は絵画で、外壁に描かれました。 

ルーマニア北東部の黄金時代を象徴する建築群として、1993年、世界文化遺産に登録されました。

イヴァノヴォの岩窟教会

ブルガリア イヴァノヴォ岩窟教会 イヴァノヴォの岩窟教会/ブルガリア

ブルガリア北部、ルーマニア国境のほど近くの岩山、13世紀からこの岩山の洞窟で隠者が修道生活を送るようになりました。

修道僧たちは洞窟内に、僧房、教会、礼拝堂などを造り、最盛期は40ほどの岩窟教会、300ほどの宗教関連施設が造られました。

イヴァノヴォ岩窟教会の最大の見所は、13、4世紀に描かれたフレスコ壁画です。洞窟内にあるため保存状態の良い、中世ブルガリア美術の傑作とも言える壁画が評価され、1979年、世界文化遺産に登録されました。

ボヤナ教会

ブルガリア ボヤナ教会 ボヤナ教会/ブルガリア

ソフィア近郊のヴィトシャ山麓に佇む、素朴な外観の教会。11世紀に建てられた王室礼拝堂を元に、増築を繰り返され、19世紀に現在の姿に至りました。

この教会の見所は内部のフレスコ壁画です。寄進者のカロヤン、教会の守護聖人・聖ニコラオスをはじめとして計240人が描かれるフレスコ画。そこでは、図像や形式を重んじたビザンツ様式を基本にしながらも、その枠を超えた人間的な表情が読みとれます。

作品に人間性や感情を表現したルネサンスの萌芽が、ここブルガリアで見られる貴重な例として1979年、世界文化遺産として登録されました。

ブルガリア・ルーマニアの古都、地方の村

ネセバル

ブルガリア ネセバルのパントクラトール聖堂 ネセバルのパントクラトール聖堂/ブルガリア

紀元前2000年頃からトラキア人が住んでいた古代都市ネセバル。
黒海に突き出した半島にあり、長さ400mの自然の堤防によって本土とつながれたこの町は、その地形ゆえに古くから交易の拠点、及び自然の要塞として争奪戦に遭ってきました。

ビザンティン帝国、ブルガリア帝国、オスマン帝国時代に建てられた代表的な聖堂が数多く残っています。中世ビザンチン教会の宝庫として1983年、世界文化遺産に登録されました。

シギショアラ

ルーマニア シギショアラ シギショアラの町並み/ルーマニア

ルーマニアのちょうど中心に位置するトランシルヴァニア地方のシギショアラは、12世紀にドイツ系のザクセン人が入植し、手工業で栄えた町です。

旧市街から見下ろすと、茶色い屋根の趣ある家々が広がり「ルーマニアの宝石」と称えられるほどです。また、ドラキュラのモデルと言われるヴラド・ツェペシュ生誕の地であり、生家は現在レストランとなっています。

トランシルヴァニア・ザクセン文化の貴重な例として1999年、世界文化遺産に登録されました。

ベリコ・タルノボ

ブルガリア ベリコタルノボ 職人街 ベリコタルノボの職人街にて

ベリコ・タルノボは12〜14世紀に第2次ブルガリア帝国の首都として繁栄し、政治、経済、文化、宗教の最重要拠点でした。
古くから工房が軒を連ねる「職人街」には金銀細工、皮製品、木彫などの工房や手工芸品店などがございます。彼らの仕事ぶりを見ているだけでも楽しい場所です。

アルバナシ村

聖誕教会のフレスコ画、アルバナシ村、ブルガリア  色鮮やかなアルバナシ村のキリスト生誕教会の壁画/ブルガリア

時が止まったような佇まいを残すアルバナシ村。

そこに建つキリスト生誕教会は、オスマントルコ支配下の16〜17世紀の間に建てられたもので、外観は民家風で装飾も鐘楼もなく、教会とわかりにくいように建てられています。

内部は鮮やかな壁画で覆われていて、3500人もの聖人が描かれた「人間の一生」が見事です。

バルナ

ブルガリア バルナ バルナのローマ浴場跡/ブルガリア

ブルガリアの「海の首都」、「夏の首都」とも呼ばれる黒海沿岸の保養地。先史時代、古代トラキア時代から文明が起こり、紀元前7世紀にギリシア植民都市オデッソスとなりました。ギリシャ、トルコ、エジプト、パレスチナなどと盛んに貿易を行ない栄えました。

バルナの最大の見所はローマ時代の公衆浴場跡です。

マラムレシュ地方の陽気な墓

ルーマニア マラムレシュ サプンツァの陽気な墓 サプンツァの陽気な墓/ルーマニア(マラムレシュ地方)

ルーマニアのハートと呼ばれるマラムレシュ地方は、北部の標高1000m級の山々に囲まれています。素朴で暖かい人々と、昔ながらの素顔のルーマニアに出会える土地です。

そんなマラムレシュで必ず訪れたいのがサプンツァ村の墓地です。お墓と言っても、写真の通り野外博物館のよう。

1935年に木彫職人ヨアン・スタン・パトラシュ氏が墓地の十字架にユニークな彫刻をしたのが始まりで、生前の職業や人柄が偲ばれる絵柄や暖かい色使いには、全く悲壮感がありません。
来世を信じ、死を恐れなかった古代ダキア人伝来の人生観の表れなのかも知れません。

ブルガリア・ルーマニアのその他の世界遺産

ビエルタンの要塞聖堂

ルーマニア ビエルタン要塞 ビエルタンの要塞聖堂/ルーマニア

ルーマニア中央部のトランシルヴァニア、ドイツからの入植たちによって多くの教会が建てられ、周辺民族の侵入に備えて要塞化されました。

中でも、シギショアラから南西に約30kmほど郊外にあるビエルタンの要塞教会は対オスマントルコの為に整備された三重の防壁が見所です。
1993年、ビエルタンの要塞聖堂が世界文化遺産に登録、その後、1999年に他の6つの村落が拡張登録されました。

マダラの騎士像

ブルガリア マダラの騎士 マダラの騎士/ブルガリア

ブルガリア東部、黒海沿岸のバルナから内陸に100kmほど入ったマダラの断崖絶壁に、謎めいた彫刻「マダラの騎士」があります。
地上23m、切り立った断崖の壁面に刻まれており、制作の手段、目的は未だ解明されていません。彫り込まれているのは、第一次ブルガリア帝国の皇帝の一人とする説が有力です。

今はなき文明の謎を解く鍵として、また、難所になされた彫刻の巧みさから、1979年、世界文化遺産に登録されました。

ブルガリア・ルーマニアの珠玉の町々を巡る

ルーマニアの首都ブカレスト

ルーマニア ブカレスト 国民の館 ブカレストのシンボル国民の館/ルーマニア

15世紀半ば、後世にドラキュラ伯爵のモデルにされたワラキア公ヴラド・ツェペシュの時代に、ブカレストは初めて文書にその名が記されました。

ルーマニアの首都としての歴史は19世紀からでフランス風の建築が並び、バルカンの小パリとも呼ばれました。

カルパチアの真珠シナイア

ルーマニア シナイア ペレシュ城 ペレシュ城/ルーマニア

ルーマニアの中央を走るカルパチア山脈。その山間の渓谷の町シナイアは、首都ブカレストからも近く、夏の避暑地、冬のスキーリゾート地として人気です。
19世紀後半には、時のルーマニア公で後に初代ルーマニア国王となるカール一世が夏の離宮をこのシナイアに築きました。

ブルガリアの首都ソフィア

ブルガリア ソフィア ソフィアのイコン博物館/ブルガリア

ソフィアには紀元前8世紀ごろにはトラキア系のセルディ族が町を作り、ローマ時代には彼らにちなみセルディカと呼ばれました。主要な幹線道が交差する土地であり大いに栄えたものの、スラブやトルコなどの侵略により荒廃してしまいました。

ブルガリアの首都になったのは1879年のことで以来、近代的な都市計画で開発が進む一方各時代を象徴する教会やモスクが混在する独特の景観が生まれました。

石畳が美しいプロブディフ

ブルガリア プロブディフ プロブディフのローマ劇場跡/ルーマニア

ブルガリア第2の都市プロブディフ。トラキア人の町から発展し、前4世紀にアレキサンダー大王の父王に征服されローマ時代は今のブルガリア支配の重要な拠点として栄えました。東西の交易の要衝であったため、度々異民族の侵攻を受けましたが、どの時代においても、比較的重要な都市として栄えました。

迷路のような石畳の町並みには古代ローマ時代の遺跡が点在していて有史以来の繁栄を伝えています。

ブルガリアでトラキア人の黄金文化を巡る

紀元前1000年頃、中央ヨーロッパに栄えたトラキア人。主にバルカン半島を拠点とし平地では農業、山間部では畜産を行い、優れた黄金加工技術も持っていました。

後に沿岸部にはギリシャの殖民都市が栄え、前4世紀に古代マケドニア、後にローマの支配下に下ると次第に彼らの名前は歴史の中に埋もれていってしまいました。
 

カザンラクのトラキア人古墳とイスクラ歴史博物館

ブルガリア カザンラク トラキア文明 トラキア時代の黄金マスク/カザンラクのイスクラ博物館

ブルガリアの中部、カザンラクに紀元前4世紀のものと考えられる、大規模な古墳群があります。内部には儀式の様子や、馬、財宝などが描かれた見事な壁画が現存しています。発掘作業中の古墳からは古代トラキア人によるものと考えられている黄金細工が現在も発掘されています。

現存するヘレニズム期のブルガリア美術の中でも最もよい保存状態が評価され、1979年、世界文化遺産に登録されました。

※フレスコ画保護のため内部は公開されていません。古墳内部を正確に再現したコピーの見学が可能です。

ルーマニアでドラキュラの謎に迫る

ブラド・ツェペシュ生家(シギショアラ)

ルーマニア ドラキュラの家 ヴラド・ドラキュラの家/ルーマニア(シギショアラ)

ワラキア公ヴラド・ツェペシュは、1431年にシギショアラで生を受けます。敵のみならず、自国民の処刑でも串刺しという最も残酷な手段をとったため、オスマン・トルコの兵から「串刺し公」として、恐れられました。

後に、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』などでドラキュラのモデルとして扱われました。

ブラン城

ルーマニア ブラン城 ドラキュラ伝説のモデルとなったブラン城/ルーマニア

ルーマニア中央部、ブラショフから南西に約30km。『吸血鬼ドラキュラ』でドラキュラの居城とされたブラン城が山上に聳え立っています。実際には、ドラキュラのモデル、ヴラド・ツェペシュは、ここに一時期身を置いただけで、ここを居城としたのは彼の祖父でした。しかしながら、緑豊かな山上に建ち、内部の調度品なども見事なお城は、『ドラキュラ』との関わりを抜きにしても十分に訪れる価値があります。

ブルガリア・ルーマニアで楽しむ伝統の祭

ブルガリア・バラの谷カザンラクのバラ祭

カザンラクのバラ祭り、ブルガリア  カザンラクのバラ祭り/ブルガリア

世界的に有名な高級ブランドなどの香水に使用される薫り高いバラのうち7~8割はブルガリア産のバラと言われるほど世界屈指のバラの産地であるブルガリア。

なかでも、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれたブルガリア中部の「バラの谷」は中心都市カザンラクを始め谷中でバラを栽培しています。
毎年5~6月がバラの収穫時期にあたり芳しい香りがバラの谷を包み込みます。

バラの収穫を祝い、バラの谷の中心カザンラクで開催されるバラ祭には、毎年数万人の観光客で賑わい、ブルガリアの金と称されるバラ一色のお祭です。

ブルガリア・バラの谷のプライベートバラ祭

  • ブルガリア カザンラク プライベートバラ祭り

    プライベート・バラ祭りにて

  • かごいっぱいのバラ(イメージ)、プライベートバラ祭り、カザンラク、ブルガリア

    村人とともにバラ摘みを体験!

創業当時より東欧の旅を手がけブルガリアツアーにも長年のノウハウとこだわりをもつユーラシア旅行社では、ブルガリアのバラと素朴な人々とのふれあいを楽しめる「プライベート・バラ祭」にご案内するブルガリアツアーを設けています。

バラの谷の小さな村の人々のおもてなしはブルガリアの旅を一際思い出深いものとしてくれるものでしょう。
 

ルーマニア・マラムレシュの復活祭

ルーマニア マラムレシュ 復活祭 ミサに向かう村人。手にはバスケットを持っています/ルーマニア

未だに荷馬車が通りを往来するような、素朴な暮らしが残るマラムレシュ地方の復活祭。

前夜の深夜ミサではひとかけのパンと聖なる火を灯したロウソクを持ち帰り、朝になると食べ物を入れたバスケットを持ち教会を訪れます。ミサで司祭が聖水や香をバスケットに施し、人々はこれを持ち帰り朝食を食べるのです。

『クリストス、アンビアータ!(キリストが復活したね!)』

ぜひこのあいさつを覚えて、一緒に復活祭を祝いましょう。

ルーマニア・シビエル村のイスパス祭

セロリの葉で無病息災を祈ります。イスパス祭、シビエル村、ルーマニア イスパス祭にて、セロリを持った子供たち/ルーマニア

キリスト昇天祭であるイスパス祭。

若者達が司祭を出迎えミサが始まります。独特なのはレオシュタンというセロリの葉っぱで互いの頭を叩いて無病息災を祈ること。昔ながらのルーマニアを感じる田舎の小さな村祭りです。

ブルガリア・ルーマニアで味わう名物料理

  • 水牛のヨーグルト(イメージ)、ブルガリア

    水牛のヨーグルト(イメージ)/ブルガリア

  • カヴァルマ(イメージ)、ブルガリア

    カヴァルマ(イメージ)、ブルガリア

  • ママリガとサルマーレ(イメージ)、ルーマニア

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