地中海のほぼ中央に浮かぶマルタ島。国の主要な有人島はマルタ島とゴゾ島、コミノ島の3島に分かれますが、3つ合わせても淡路島の半分しかない小さな島国です。しかし地中海の真ん中という立地から、太古より数多くの文明が歴史を通じて交錯を続けてきました。マルタ島には多数の古代遺跡があり、首都ヴァレッタは中世の栄光を今日に伝える壮大な城塞都市です。

マルタ共和国とは

マルタ基本情報

【正式名称】マルタ共和国
【面積】316平方キロメートル(淡路島の半分)
【人口】約43万人(2016年)
【首都】ヴァレッタ(Valletta)
【言語】マルタ語及び英語が公用語
【民族】南イタリアと同様の地中海系民族をベースにノルマン系、アラブ系、スペイン系などの征服民族との混血が進んだもの
【宗教】カトリック
【時差】日本よりマイナス8時間8(サマータイム時はマイナス7時間)

首都ヴァレッタ

ヴァレッタの街並み

城壁に囲まれたヴァレッタ旧市街

ヴァレッタの共和国通り

街の中心共和国通り

騎士団長の館(ヴァレッタ)

騎士団長の館

世界遺産にも登録されているマルタ島の首都ヴァレッタ。この海上に浮かんでいるかのような壮大な城塞都市を築いたのが、聖ヨハネ騎士団です。十字軍で活躍した修道騎士団の一派で、エルサレム陥落後、彼らはキプロス、ロードス島(ギリシャ)と流転した後、教皇からマルタ島を与えられ、地中海の真ん中に浮かぶこの小島に移住します。しかし、そこへ、宿敵オスマン帝国が襲い掛かって来ます。ロードス島ではオスマントルコ軍に敗れ降伏したヨハネ騎士団でしたが、「大包囲戦」と呼ばれるこのオスマン艦隊の包囲の中、最後には敵艦隊を撤退させる事に成功します。

現在のヴァレッタはオスマン艦隊の再攻撃に備えて築かれた城塞都市が起源です。重厚な城壁の中にマルタ島の特徴的なはちみつ色の建物が並び、みどころも点在しています。

巨匠カラヴァッジョの晩年の最高傑作を訪ねて

聖ヨハネ大聖堂のカラヴァッジョ作品(聖ヨハネ大聖堂付属美術館)

聖ヨハネ大聖堂付属美術館内のカラヴァッジョ『聖ヨハネの斬首』(中央)と『聖ヒエロニムス』(右)

本名ミケランジェロ・メリージのカラヴァッジョ。「流浪の画家」とも呼ばれ、ローマからシチリア、そしてマルタ島へと、転々とした人生を過ごしました。別名「光と影の魔術師」とも呼ばれるぐらい、明と暗の対比に長けた彼は、イタリアのバロック絵画の代表的な画家に挙げられます。そんなカラヴァッジョの代表作に挙げられる作品のひとつ「聖ヨハネの斬首」がマルタ島にあります。

カラヴァッジョが描いた、この斬首の瞬間は、オペラにも詠われたサロメの物語のクライマックスですが、見事にその瞬間のドラマ性と悲劇性が描かれています。ローマで殺人を犯してから、逃亡と流浪の人生を送る事になったカラヴァッジョですが、この作品がローマでも認められ、束の間の光を浴びます。ところが、間もなくマルタ島で傷害事件を起こしてしまい、皮肉にも『聖ヨハネの斬首』の作品がかかる壁の前で斬首刑を言い渡されました。(最終的には斬首でなく、マルタで騎士の位を剥奪・投獄された牢獄から逃れ、イタリア本土で病死しています。)

カラヴァッジョ『聖ヨハネの斬首』(聖ヨハネ大聖堂付属美術館)

カラヴァッジョ『聖ヨハネの斬首』

限定入場、謎の地下神殿ハイポジウム

ハイポジウム(マルタ観光局提供)

ハイポジウム(マルタ観光局提供)

マルタの古代遺跡の中でも、特に人気が高いのが地下遺跡ハイポジウム。住宅地の地下に発見された4000年以上も前の遺跡で、神殿とも儀礼の場とも考えられている謎の空間です。見学者の安全と遺跡の保護のため、完全予約制の地下遺跡ハイポジウムへご案内します。

地中海に抱かれるマルタ島の景勝地ブルーグロットー

ブルーグロットーの外部

ブルーグロットー外観

ブルーグロットー

ブルーグロットー内部

青の洞窟と言えば、イタリアのカプリが有名ですが、輝く地中海に囲まれたマルタ島にも「青の洞窟=ブルー・グロットー」の名で知られる場所があります。マルタ島の南岸、石灰岩の岸壁が波の浸食によってえぐれた場所にその洞窟があります。ユーラシア旅行社のマルタ島ツアーでは、海の状況に恵まれれば、ボートで洞窟の中に入り、太陽の光によって透き通るような青色の海に出会うことができるのです。ちなみに、カプリ島の青の洞窟より、入口が一回り大きい為、入場できる確率も高めです!

5,500年前に遡る謎の巨石文明の跡

ジガンティーヤ神殿

ジュガンティーヤ神殿

マルタのヴィーナス(考古学博物館所蔵)

マルタのヴィーナス(考古学博物館所蔵)

マルタ島の歴史は古く、今から約5,500年前の紀元前3,500年前頃まで遡ることができます。ヨーロッパには未だ文明もなく、メソポタミアにもエジプトにも本格的な国家のなかった、黎明期とも言えるこの時代に、マルタ島では複数の巨石を用いた建築が造成されたのです。中にはトンに及ぶ重さの巨石も用いられているものもあります。マルタ島とゴゾ島には、今日でもこの巨石遺跡群が複数残っています。マルタ島の巨石文明と呼ばれ、歴史にその名を留めています。この文明には文字がなかったので、どのような方法で、何の為に、このような建築物を築いたのか、未だ謎に包まれています。 また、イギリスのストーンヘンジ、アイルランドのニューグレンジ、フランスのブルターニュ地方のストーンサークル群等の巨石遺跡も、何らかの理由でマルタからヨーロッパ北部へ移った人々が築いたのではなかったかという説もあります。この説の拠りどころとなっているのが、マルタ島の遺跡の石に刻まれた渦巻き模様です。ニューグレンジを筆頭に、ヨーロッパ北部の巨石遺跡でも同様の模様が見られるのです。少なくとも、マルタ島とヨーロッパ北部との間には、当時、何らかの交流があったのではないかと考えられています。

ゴゾ島のみどころも訪問

ゴゾ島の中心ビクトリア

ビクトリアの大聖堂

ゴゾ島では前述のジガンティーヤ神殿に加え、中心の町ビクトリアも見逃せません。壮麗な聖堂から名物のレースやはちみつなどを売るお店が並びます。

マルタ共和国の美しい町々を訪問

ルツが浮かぶマルサシュロックの港

カラフルな舟ルツが浮かぶマルサシュロックの港

イムディーナの街角

『静寂の町』イムディーナ

これまでご紹介してきた町や景色の他にも、マルタ共和国にいくならぜひ訪ねたいお勧めの町々に、ユーラシア旅行社の旅では皆様をご案内します。たとえば、マルタ会談が開催された場所として知られる港町マルサシュロック。この小さな町には、二千年以上もの昔からフェニキア人達がお守りとして船の舳先に付けていた「オシリスの目」の伝統が今も息づいています。その「オシリスの目」が施されたカラフルなルツと呼ばれる船が、マルタ島ツアーでの名物の一つとなっています。また、ここは古代から天然の良港であり、海の幸も絶品です。他にもヴァレッタの隣に位置するスリーシティー、静寂の古都イムディーナ、イスラム風の町並みが印象的なゴゾ島の中心ビクトリア等も見逃せない、マルタ島ツアーの観光ポイントです。

マルタ島の宿泊は5つ星ホテルを利用

城壁のすぐ外に位置するエクセルシオールホテル

好立地と快適な部屋に定評があるエクセルシオール・ホテル

2024年度のマルタ島ツアーでは、ヴァレッタの対岸ではなく、旧市街に徒歩圏の5つ星ホテルエクセルシオールに泊まるツアーを多数ご用意しております。(一部ツアー除く。詳細は日程表をご参照ください。)

*ご旅行金額につきまして*
添乗員付きツアーの旅行代金は全て総額表示です。
空港税・宿泊税や燃油サーチャージは追加徴収いたしません。
出発前の大幅な追加請求や空港税・宿泊税の支払いのために旅行中に手元の残金を気にかける必要がありません。
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03-3265-1691

営業時間 10:00~17:00(土日祝除く)

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