サンティアゴでは、キリストの弟子のひとり聖大ヤコブ(=サンティアゴ)の遺骸が奇跡的に見つかりました。これは1世紀頃に殉教して以来行方不明の後の発見でありました。この奇跡の物語をきっかけに、絶えまなく巡礼者の列が続くようになり、サンティアゴは、ローマやエルサレムと並ぶキリスト三大聖地の一つとなりました。そして約1,000年前、世紀末思想が世を覆っていた時も、イスラム勢力がイベリア半島を駆逐しはじめた時も、精神的な求心力となって人々を奮立たせる大きな役割を担ったと言われています。ロマネスクの時代から今日に至るまで、数ケ月、時には数年を費やして、信徒がこの地を目指しました。最盛期には年間50万人以上の人々が行交ったそうです。生活を捨て、あらゆる階級の人々が、等しく自分の足を使って向かいました。その道は、主に4つありました。全長約900kmにも及ぶこの巡礼の道は、途中にピレネー山脈をはじめとする難所が幾箇所もありましたが、だからこそ一層、誇りと信仰心が高まったと言えます。現在、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼の道は、その歴史的意義より、全行程が世界遺産に登録されています。

スペインとは

スペイン基本情報

【正式名称】スペイン王国
【面積】50.6万平方キロメートル(日本の約1.3倍)
【人口】約4,693万人(2019年1月)(うち約485万人は外国人)
【首都】マドリード(Madrid)
【民族】スペイン人
【言語】スペイン(カスティージャ)語(なお,スペイン憲法は,第3条において,各自治州の自治憲章の定めにより他の言語も当該自治州の公用語とすることを認めており,現在,バスク語(バスク州,ナバーラ州北西部),カタルーニャ語(カタルーニャ州,バレアレス州),ガリシア語(ガリシア州),バレンシア語(バレンシア州),アラン語(カタルーニャ州)がそれぞれ公用語として認められている。)
【宗教】憲法で信仰の自由が保障されている。
【時差】本土:日本よりマイナス8時間(サマータイム時マイナス7時間)、カナリア諸島:日本よりマイナス9時間(サマータイム時マイナス8時間)

巡礼の終着地点、サンティアゴ・デ・コンポステラ

サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂

サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂

サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂

サンティアゴ大聖堂『栄光の門』

『栄光の門』

大聖堂の入口には、見上げているだけで眩暈を覚えるような素晴らしい彫刻。「栄光の門」と呼ばれる12世紀初めに完成されたロマネスク様式の最高傑作です。中央には、右手に巻物を、左手に杖を持った聖ヤコブが座り、長旅の巡礼者を迎えてくれます。聖ヤコブの柱の下方には5本の指の窪みがついており、そこだけ白くなっています。長年、巡礼者達が柱に触り祈りを捧げたため、だんだん擦り減ったかだらといわれています。

※栄光の門は断続的に修復を続けている為、完全にご覧頂けない場合もございます。

聖地サンティアゴ・デ・コンポステラのボタフメイロの儀式も見学

サンティアゴ大聖堂のボタフメイロ(大香炉)の儀式

サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂のボタフメイロの儀式

サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂で振られる重さ80kgもある巨大香炉ボタフメイロの儀式は、元々は長い道を歩いてきた巡礼者達の体臭を緩和する為に始められました。現在でも巡礼達成の象徴として、香炉を振られながら落涙する巡礼者も少なくありません。特別な行事や、依頼があったミサの時のみ振られるボタフメイロですが、現地に行っても見られるかどうかは運次第…というイベントです。ユーラシア旅行社の北スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステラを訪れる旅では、このボタフメイロの儀式を大聖堂に特別に依頼し、巡礼者たちと感動を分かち合う機会を設けました。

※ボタフメイロは宗教儀式であるため、大聖堂側の都合や宗教的な理由により見学が適わない場合がございます。

巡礼路を歩く

サンティアゴ巡礼路にて

サンティアゴ巡礼路にて

巡礼路を歩いてみたい。でも荷物や距離が心配…という希望を受け、ユーラシアの旅では、北スペインの旅に、巡礼路歩き体験を取り入れています。スペイン側の主要な巡礼路の中から、巡礼路らしい景色を感じられ、また比較的歩きやすい部分を厳選し、1km~5Kmほどの歩き体験にご案内します。ツアーの中で歩く時間を体験しますので、大きな荷物はバスに置いたまま、貴重品とカメラだけもって歩ける簡単な距離です。もちろん、ご体調や天候によりご希望されない方は、ツアーのバスで先回りされることもできます。

100km歩いて巡礼証明書をもらおう!

巡礼路をしっかり歩きたい方にはサンティアゴまでのラスト100kmを歩く旅がお勧めです。

サンティアゴ巡礼路にて

サンティアゴ巡礼路にて

サンティアゴを望むゴゾの丘

巡礼路最後のハイライトゴゾの丘

ゆとりある行程(※)を、ガイドや添乗員とともに歩きますので安心です。また、毎日当社専用バスが先回りしますので、大きな荷物をご自身で運ぶ必要はありません。サンティアゴ・デ・コンポステラの手前100km以上を含む巡礼路を、観光も楽しみながら歩きます。完歩すれば公式証明書「コンポステラーノ」を入手できるコースです。

※スペインで出版されている巡礼路ガイドブック「EL CAMINO DE SANTIAGO A PIE」による4日分の行程を、8日間かけてご案内します。たとえ悪天候の日があっても、無理のない日程を心がけております。

どんな道を歩くの?

巡礼路の道は、しっかりと整備されていますが、その道の状況は様々。ツアーでは小さい丘や小山を越える際のアップダウンのある道も通ります。

サンティアゴ巡礼路にて(アメナル近郊)

サンティアゴ巡礼路にて(アメナル近郊)

サンティアゴ巡礼路にて

道路を歩く区間もあります。

サンティアゴ巡礼の道標

サンティアゴ巡礼の道標

農場の横や林の間などを歩く道は大抵平坦な土道です。様々な町や村の中を歩く際は、伝統的な家屋や農具、中世の洗濯場、古い石の十字架を目にします。景色は様々、飽きることがありません。今日の巡礼歩きの景色や道は、どんな感じかな」と毎朝わくわくした気持ちで出発していきます。歩いている途中で疲れてしまっても1日に平均2~3回(稀に1回)、巡礼路歩きの途中で、皆様のツアーバスと遭遇でき、車内に置いた手荷物を引き取ったり、逆に不要な荷物を置いていくことができます。バスとの遭遇ポイントで巡礼歩きを中断して、バスに乗り込むことも可能です。(ただし巡礼路道中は山や林など車が入り込めない道も歩きますのでバスと遭遇できるポイントまではお客様ご自身で歩く必要はございます。※毎日15~20kmを半日かけて歩きます。休憩1~1時間半毎に1回です。道のりは平坦+多少のアップダウンを繰り返しです。毎日連続で歩く体力が必要です)

巡礼歩き中の持ち物は?服装は?

サンティアゴ巡礼路にて

初夏の服装一例

雨天時のサンティアゴ巡礼路

雨天時の服装一例

リュックサック、飲み水、ポケットティッシュ、必要な方は飴、タオル、雨具など。巡礼歩き中は、山ハイキングとは異なり、軽い荷物がおすすめ。1~2時間に1度はバール等でトイレ休憩をしますので、水の購入、軽くお菓子やパニーニなどとることができます。靴は毎日15~20km歩いても足が痛くならない履きなれた靴で、防水性が備わっていますとなおよしです。毎日歩きますと足がむくみますので、足先など余裕のある靴や出発前から歩いて試してきてください。登山靴は防水性が備わり機能性はありますが、重たい場合にはご自身の体力と足の筋力に負荷がかかりますので、お気を付け下さい。

巡礼歩き三種の神器とクレデンシャル(巡礼手帳)

巡礼の三種の神器(ホタテ貝、杖、ひょうたん)

巡礼の三種の神器(ホタテ貝、杖、ひょうたん)

巡礼歩きの道中では、ときどき巡礼者像を見かけます。その巡礼者像には共通点が。それは持ち物。必ず帆立貝・杖・瓢箪を身に着けています。帆立貝は、めざすサンティアゴ・デ・コンポステラに祀られているサン・ジャック(聖ヤコブ)の象徴であり、帆立貝をつけている旅人が巡礼者であることを表すもの。杖は、長い道のりを歩く困難な道中の身体の支えとしての機能は現代と同じです。中世の巡礼者像が手にしている木の杖は、魔法使いの杖みたいです。そして瓢箪は現代でいう水筒の役目。見た目や材質は変われど、現代の私たちが巡礼歩きする際にも必要だといえるものばかりです。

サンティアゴ巡礼手帳

巡礼手帳

また、巡礼歩きをするとサンティアゴ・デ・コンポステラで巡礼証明書がもらえます。しかしそれには“100km歩いた”証明が必要。その証明となるものがクレデンシャル(巡礼手帳)です。この手帳にはスタンプを押す欄があり、巡礼路道中色々な場所で休憩の際や宿泊の際にスタンプを押します。1日最低2か所で押せばOK(※基本は25kmの距離間で2か所押すこと)。2か所以上で押してもOK。スタンプにはホテル名やカフェの店名、町の名前などが入っていて、デザインも様々。巡礼歩きの旅記録や思い出になります。手帳最後のスタンプは、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼事務所でもらうスタンプ。最後のスタンプを押してもらった時は、なんともいえぬ感動が湧き上がります。

宿泊施設はアルベルゲ(巡礼宿)?途中の休憩は?

巡礼宿(利用一例)

巡礼宿(利用一例)

弊社ではアルベルゲではなく、各町村にあるホテルに宿泊します。巡礼ツアーで巡る町村はこじんまりとしており、町村相応の規模のホテルとなりますが、清潔でホスピタリティに溢れたホテルを予定しております。また、昨今は日本でもカフェブームがきていますが、巡礼路道中もいわば毎日カフェ巡りです。巡礼路道中には公衆トイレなるものがありません。道中のお手洗いストップ場所はカフェやレストラン。トイレは無料ではなく、使用したらカフェで何かを注文するかチップを置いていくのがルール。この時にちょっとカフェのカウンターを覗いてみましょう。そのお店手作りのケーキやプリン、独自メニューのジュース等があるかもしれません。カフェのコンセプトも様々で、内装にこだわったお店もよく見かけます。古い建物を改装したカフェ、帽子が狭いカフェカウンターの上部に飾られたカフェなどなど。そしてお店の人たちの笑顔と優しさが疲労を回復させてくれます。

巡礼路道中グルメ

ガリシア地方名物のタコ料理

ガリシア地方名物のタコ料理

ホタテのトマトソース焼き

ホタテのトマトソース焼き

そして巡礼歩き中によく目にする広大な畑や牧場の恵みである野菜やチーズ、肉も忘れてはならない存在。生ハムというと通常豚肉ですが、レオンでは珍しい牛の生ハム「セッシーナ」というのがあります。各地域で特色ある味わいのチーズやレオンのセッシーナは、町のスーパーにてグラム単位で買えますので、ツアー中でもちょっと味見を、ということもできます。名物と謳っていなくともツアー中レストランで食べる肉料理や付け合せの野菜そのものの味がとても美味しく、毎日歩いて動いたあとの食事ということもあり毎食舌鼓を打ってしまいます。巡礼歩きでダイエット?・・・それはなかなか難しいかもしれません。

ツアーでは主にガリシア州を歩き、この州の名物は“シーフード”が挙げられます。なかでもタコを叩いて叩いて叩いて柔らかくし調理した「プルポ・ア・フェイラ」が絶品。もちろん巡礼者のシンボル帆立貝も焼いたものを召し上がれます。そのほかの貝類も種類豊富でバールでタパスやピンチョスなどの具材に使われていたり、ちょっとしたおつまみとして食べるのにお勧め。白ワインも産地ですので、魚介類料理とともにご一緒にどうぞ。

*ご旅行金額につきまして*
添乗員付きツアーの旅行代金は全て総額表示です。
空港税・宿泊税や燃油サーチャージは追加徴収いたしません。
出発前の大幅な追加請求や空港税・宿泊税の支払いのために旅行中に手元の残金を気にかける必要がありません。
また、「早割キャンペーン」や「リピーター割引制度」も実施中です。ユーラシアの旅についてはこちらをご覧ください。

03-3265-1691

営業時間 10:00~17:00(土日祝除く)

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