社員全員の知力とサービス力を高めることが企業の生命線です。

 旅行業は旅という形なき商品を媒介にしてビジネスを行って利益を生み出していく産業であり、そのための武器と手段は知識とサービス能力です。しかし、その武器と手段を上手く活用するためには、言語能力が必要になります。人に正確に伝えたり、案内したり、人の気持ちを理解したり、話し合ったり、自分の知恵や情報を人と共有したり、言語能力を高めることで、知識とサービスは磨き抜かれます。

 当社の人材育成は、知識とサービス能力と言語能力の3つの輪のバランスを上手に保ちながら、一つ一つの輪を大きく育てていくことを重視しています。そのため、情報共有と知的財産の共有に社内ネットワークを活用しています。

 社内ネットワーク上では、商品に関わる問題解決や顧客対応のあり方、企画内容の改善や新企画の提案、添乗のアドバイス、各種業務改善、月次営業成績の分析や決算報告、販管費など全ての会計処理内容、消費動向や緊急事態の当社への影響、その他企業活動に関わる全ての情報が明らかにされた上で協議され、その協議のプロセスを全社員が共有できる仕組みになっています。そうした各種の協議に参加することは自由であ り、その発言が自己アピールにもなります。同時に、上司も実力を試されることになります。あらかじめ、全社員が同じ情報を共有することになりますので、立場による情報格差によって実力がカムフラージュされることはありません。当然ながら年齢や勤務期間は関係なく、知恵と判断力と説明能力に裏打ちされた「説得力」だけが社内ネットワーク上の協議の中で力を発揮します。

 このように組織員全員の力の蓄積が企業力になっていきますが、その組織に流れを作り出すのは強いリーダーシップです。当社のリーダーの定義は、人材や業務を管理するだけではなく、会社の掲げる理想やビジョンの実現の為、何をどのように生かしていくか、経営効率と顧客満足の両面のバランスを保ちながら、仕事のプロセス全体をマネジメントしていくことです。そして、強いリーダーシップによって組織に魂が吹き込まれ、強い組織が生まれます。旅行業という人の力が全てを決する産業においては、全員参加、全員活用のナレッジマネジメントと個人の提案力の強化、そしてリーダーの迅速な意思決定を可能にするシステムの構築が生命線になると当社は考えています。

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