3世紀末の書物『魏志倭人伝』で、魏の使者が邪馬台国へ向かう途中に立ち寄った場所として記されている壱岐・対馬。5~7世紀に造られた古墳群、7世紀に辺境守備兵として配備された防人など、古代から近代に至るまでの日本と大陸との関りによる島独自の歴史を残す場所などが、壱岐・対馬の見どころです。

壱岐とは

壱岐島の基本情報

壱岐島とは、福岡から北西に約80kmに位置する「長崎県」に属する島です。壱岐島の周辺には、大小23(有人島4、 無人島19)があり、それらをあわせて壱岐または壱岐諸島と呼びます。主要な観光地はこの島にあります。

面積:133.8平方キロメートル(南北17km、東西14km)全国で20番目に大きな島
人口:約28,000人
*壱岐島(壱岐市)が、主な行政区域であり、長崎県の出先機関の壱岐振興局が置かれています。

壱岐島までの交通手段とは

壱岐島への交通手段は?

1)航路の場合:九州本島からは博多港(福岡)もしくは唐津東港(佐賀)から壱岐島の郷ノ浦港または芦辺港へ、ジェットフォイル(高速船)またはフェリーで渡ることができます。対馬島の厳原港からも航路が結ばれています。
2)空路(飛行機)の場合:九州地域から空路で移動する場合は、長崎空港から約30分の飛行時間で壱岐空港に到着します。

壱岐の歴史は?

壱岐諸島は、日本と韓国や中国とほぼ中間に位置し、古代から海上交通の要衝であり、交易や交流の拠点でありました。その歴史は古く、弥生時代後期(3世紀末)には「一支国(いきこく)」として、中国の歴史書『魏志倭人伝』に記されてもいます。5~7世紀には、多くの古墳が造られ、なかには海外と精通していたことを証明する品が発掘され、島に有力者がいたことを物語っています。

日本最古の歴史書『古事記』(イザナギノミコトとイザナミノミコトの国生み神話~推古天皇まで)にも記述があり、そこには日本の国土の中で5番目に生まれたのが伊伎島(いきのしま)と記されています。そのため、壱岐島は神々の島と呼ばれ、島内には国生み神話のなかに登場する神々を祀る神社が多く存在します。

壱岐島の見どころ、おすすめ観光地

必見!弥生時代の3大集落遺跡のひとつ、原の辻遺跡

原の辻遺跡(壱岐)
原の辻遺跡(壱岐)

「原の辻(はるのつじ)遺跡」は、国宝にあたる国の特別史跡に指定され、登呂遺跡・吉野ヶ里遺跡とともに弥生時代の3大集落遺跡のひとつです。ここは、魏志倭人伝に記載されている“一支国(いっしこく)”の王都だった場所では、と考えられています。王の館や迎賓場、高床式の穀倉庫、祭祀や儀式を行った場所などが復元され、外国と交易があり、栄えていた当時の暮らしをみることができます。

壱岐に来たならひとつは訪れたい、壱岐の古墳群

双六古墳©NPTA
双六古墳©NPTA

壱岐島には、長崎全体の約6割にあたる約280基の古墳があります。そのうちの200基ほどは6世紀後半から7世紀前半のもので、発掘された品々から大陸と交易をし、首長として認められていたのではと思われるものもありました。古墳の形も造りもさまざまで、数ある古墳の中で、どこを見たらいいのかと迷ってしまいますが、ユーラシアの旅(ツアー)では、おすすめの古墳4か所へご案内します。長崎県で最大の前方後円墳で、国指定史跡かつ出土品の多くが国の重要文化財となった「双六古墳」、島内で2番目に大きい国指定史跡の「鬼の窟(おにのいわや)古墳」、出土した発掘品の多くが国の重要文化財となった「笹塚古墳」、長崎県で唯一のくりぬき式家形石棺がある「掛木古墳」を効率よく、現地ガイドの案内にて見てまわります。

古事記ゆかりの神社をご参拝見出し

月読神社(壱岐)
壱岐の神道発祥地の月読神社

国生み神話を記す古事記において5番目に生まれた島として、150社以上の神社を有する壱岐島。ユーラシアの旅(ツアー)では、天照大神の弟神である月讀命を祀る「月読(つきよみ)神社」をご参拝します。また神功皇后が三韓出兵を成し遂げた後、三神を祀ったことに始まる「住吉神社」もご参拝します。

壱岐島の自然美を望む絶景のロケーション

左京鼻(壱岐)
左京鼻

玄界灘の風雨によって自然が生み出した景観美も見逃せません。ユーラシアの旅(ツアー)では、玄武岩の柱状節理の奇岩と約1kmつづく断崖の絶景を見渡せる「左京鼻」、壱岐島の有名スポット「猿岩」、天気が良ければ対馬がのぞめる「岳の辻展望台」を訪れます。

壱岐旅行のベストシーズンは?

壱岐古墳群の近くで見た桜(3月下旬撮影)
古墳群の近くでみた桜(3月下旬撮影)

【2月~5月】関東とさほど変わらない気温です。2月は防寒具、4月は春先の寒暖差に対応できる重ね着の準備をしていけば、冬の終わりから春先は旅行におすすめの時期といえます。2月から、ヤブツバキや梅が咲きはじめ、3月下旬からヤマザクラ、4月はチューリップをみることができます。また、4月からムラサキウニが解禁となり、新鮮なウニのシーズンにはいります。

【6月~9月】マリンアクティビティのシーズン。しかし、降水量が多い時期でもあるので、雨具の準備は必須です。夏休みの時期は、島内でさまざまなイベントが行われます。6月からはバフンウニ、7月中旬からアカウニが解禁となります。

【10月~11月】夏場の多い降水量が一気に関東の冬並みの降水量がさがります。気温に関しては、10月は18℃前後、11月は14℃前後と暑すぎず、寒すぎずで旅行には最適な気温にもなりますので、旅行におすすめの時期といえます。この時期は、アオリイカやスルメイカ、メロンが旬の食材となります。

対馬(対馬島)とは

対馬(対馬島)の基本情報

対馬とは、「長崎県」に属する九州最北端の島で、九州本土からの距離は約130kmに対し、韓国の釜山までの距離はわずか約49.5kmです。中心となる対馬島周辺に、大小108(有人島6、 無人島102)があり、それらをあわせて対馬諸島(または対馬列島)と呼びます。

◆対馬(対馬島)◆ 
面積:696平方キロメートル(南北82km、東西18km)全国で10番目に大きな島
人口:約32,000人
*対馬島(対馬市)が、主な行政区域であり、長崎県の出先機関の対馬振興局が置かれています。
*国生み神話(古事記)では、“津島”と書かれています。

対馬(対馬島)までの交通手段とは

対馬島への交通手段も、壱岐同様、主に2つ。

1)航路の場合:博多港(福岡)から、ジェットフォイル(高速船)またはフェリーにて、壱岐島に寄港した後、対馬島の厳原港または比田勝港に到着します。対馬島の厳原港からも航路が結ばれています。※韓国・釜山からも国際航路で結ばれてもいます。
2)空路(飛行機)の場合:九州地域から空路で移動する場合は、福岡空港または長崎空港から約30分の飛行時間で対馬やまねこ空港に到着します。

対馬の歴史は?

対馬も『魏志倭人伝』に記され、古くから大陸と交易を結び、海上交通の要衝でした。また日本、九州本土より大陸と近いため、自然と国境の島として大陸からの攻撃に備え、7世紀には日本史で有名な防人(さきもり)が配備されました。対馬は、古代から、豊臣秀頼、徳川幕府、第二次大戦に至るまで国防の最前線の島として歴史を有し、それらを物語る場所が残っています。
日本最古の歴史書『古事記』(イザナギノミコトとイザナミノミコトの国生み神話~推古天皇まで)のなかでは、6番目に生まれた島と記されています。

対馬の見どころ、おすすめ観光地

椎根の石屋根(対馬)
椎根の石屋根
海に鳥居がたつ和多都美神社(対馬)
和多都美神社椎根の石屋根
対馬最南端の豆酘(つつ)崎
豆酘崎

対馬のみどころとなるジャンルとしては、歴史、自然景観美、神社があります。神話伝承から近代までの歴史を紹介する「対馬博物館」、対馬島主・宗家の菩提寺「万松寺」、天気が良ければ釜山を望める「異国の見える丘展望台」、雄大なリアス式海岸の浅茅湾を見渡す「烏帽子岳展望台」、対馬最南端の「豆酘崎(つつざき)」からの眺めはおすすめです。平安時代、九州最多の官社数を誇った神道と深いかかわりがある対馬を代表する「多久頭魂(たくづだま)神社」や「和多都美(わたづみ)神社」があります。

対馬の貴重な大自然

対馬野生生物保護センター
対馬野生生物保護センター

対馬島の89%が森林で覆われ、原生林が多く残る、自然豊かな島です。必然的に緑豊かな景観美をお楽しみいただけます。その自然の中に天然記念物で国内希少野生動物種のツシマヤマネコをはじめとし、固有種、大陸系、日本本土系といった様々なルーツをもつ生態系が存在しており、「対馬野生生物保護センター」にて詳しく知ることができます。

対馬旅行のベストシーズンは?

ヒトツバダゴ
ヒトツバタゴの花(5月撮影)
椎根の石屋根付近でみた菜の花(3月下旬)
菜の花(3月下旬撮影)

対馬暖流の影響を受け、温暖かつ雨の多い海洋性気候です。冬の時期でも0℃までは下がらず5℃前後ですが、大陸からの強い季節風が吹くとかなり寒く感じますので、風を通さない素材の防寒具をご準備ください。4月にかけて気温が上昇しますが、春の寒暖差に対応できる重ね着のご準備が必要です。6,7月が降水量のピークで、8月から降水量は下がっていきますが、9月に遅い台風がくることもあります。10月になるとがくっと降水量が落ち、晴れの日が多くなります。

3月からゲンカイツツジ(対馬市の花)、モモ、ヤマザクラ、5月からヒトツバタゴの花(対馬市の木、別名ナンジャモンジャ)、6月からオニユリ、11月の紅葉など四季おりおりの花や植物を楽しむことができます。

対馬を訪れたら食べたい島グルメ、新鮮な魚介類と麺料理

穴子刺身と穴子煮(イメージ)
穴子刺身と穴子煮(イメージ)
日本在来品種対州そばのミニそば(対馬)
対州そば(イメージ)

対馬は、暖流と寒流がぶつかり好漁場で、新鮮な魚介類が特産。なかでも「あなご」の漁獲量は日本一!対馬のあなごは身が厚く、脂がのっているのが特徴。通年漁獲しているので、いつでも新鮮なあなごを食べることができます。魚介類を熱した石英斑岩という岩の上で焼いて食べる「石焼料理」も、対馬を訪れたのなら絶対に食べて帰りたい料理。また対馬で栽培された蕎麦粉でつくられた「対州そば」、在日韓国人の方から伝わった上対馬の焼肉「とんちゃん」などのご当地グルメもはずせません。そのほか、大陸との交易の歴史から、麺類や焼酎も特産品です。

添乗員が語る壱岐・対馬の魅力

03-3265-1691

営業時間 10:00~17:00(土日祝除く)

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